家づくりを考え始めると、必ず耳にする「坪単価」という言葉。住宅会社の営業担当者から「当社は坪単価〇〇万円です」「うちは△△万円で建てられます」といった説明を受けたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、この「坪単価」、実は会社によって計算方法が大きく異なることをご存知ですか？一見安く見える坪単価でも、実際に支払う総額は思っていた以上に高くなってしまうケースも少なくありません。
今回は、家づくりで失敗しないために知っておきたい「坪単価のカラクリ」についてお話しします。
そもそも「坪単価」とは？
坪単価とは、建築費用を床面積で割った金額のことです。
坪単価 = 建築費用 ÷ 床面積
一見シンプルな計算式ですが、実はこの「建築費用」と「床面積」の定義に、統一された基準がありません。各住宅会社が独自の判断で計算しているため、単純に比較することが難しいのです。
落とし穴①：「建築費用」に何が含まれているか
坪単価を計算する際の「建築費用」には、いくつかのパターンがあります。
本体価格のみの場合
住宅本体の工事費のみで計算されており、消費税が含まれていないケースもあります。一見、非常に安く感じますが、実際に家を建てて住めるようにするには、この金額だけでは済みません。
エアコンやカーテンなどのオプション工事、地盤補強費用、給排水・電気の引き込み工事といった付帯工事は、別途費用がかかります。
オプション・付帯工事まで含む場合
一方で、オプション工事や付帯工事まで含んだ総額に近い金額で坪単価を計算している会社もあります。この場合、坪単価は高く見えますが、実際の総費用に近い金額となります。
当然、本体価格のみで計算すれば坪単価は安く見えます。しかし、それはお客様が最終的に支払う総額とは大きく異なる金額なのです。
落とし穴②：「床面積」の計算方法
次に、坪単価を割る「床面積」にも注意が必要です。
建築基準法に基づく床面積
本来、床面積とは建築基準法に規定される面積で計算されるべきものです。
施工面積を使う場合
本来は床面積に含まない玄関ポーチやバルコニー、吹き抜け部分などを含めた「施工面積」で計算している会社もあります。面積を大きくして計算すれば、坪単価は安く見えるのです。
メーターモジュールと0.91モジュールの違い
住宅の基準寸法には、大きく分けて2種類あります。
- メーターモジュール：1.0m × 1.0m を基準とする
- 0.91モジュール（尺モジュール）：0.91m × 0.91m を基準とする
同じ間取りでも、メーターモジュールで建てると面積が約1.2倍に増えます。
例えば、尺モジュールで30坪の家を、メーターモジュールで建てると約36坪になります。坪単価が同じでも、面積が増えれば総額は大きく上がるのです。
多くの会社が採用する基準寸法は尺モジュールです。しかし、中にはメーターモジュールを使って計算をする会社もあるため注意が必要です。
坪単価だけで判断するのは危険です
建築費用は、住宅の仕様、設備、そして敷地の条件などによって大きく変わります。坪単価はあくまで目安であり、これだけで住宅会社を比較することは適切ではありません。
営業担当者から坪単価の説明を受けたときには、ぜひ次の質問をしてみてください。
「実際に住める状態にするまでの『総費用』はいくらですか？」
総費用で確認することで、後から「あれも追加、これも追加」と費用が膨らんだり、「思っていた家と全然違う」という事態を避けることができます。
当社は「総費用」でお話しします
当社では、お客様に対して最初から「総費用」でご説明させていただいております。
坪単価という曖昧な数字ではなく、実際に住める状態にするまでに必要な費用を明確にお伝えすることが、お客様への誠実な姿勢だと考えているからです。
家づくりは、人生で最も大きな買い物のひとつです。だからこそ、正確な情報をもとに、納得のいく判断をしていただきたいと思います。
まとめ
- 坪単価には統一された基準がなく、会社によって計算方法が異なります
- 「建築費用」に何が含まれているか、必ず確認しましょう
- 「床面積」の計算方法も会社によって異なります
- 坪単価だけでなく、「総費用」で比較することが大切です
上越エリアで家づくりをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
お客様にとって本当に必要な費用を、誠実にご説明させていただきます。