「いつも」が「もしも」を守る。防災の視点を取り入れた家づくり 「いつも」が「もしも」を守る。防災の視点を取り入れた家づくり

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「いつも」が「もしも」を守る。防災の視点を取り入れた家づくり

地震、大雪、停電——。私たちが暮らす上越地域では、こうした災害に備えることが欠かせません。

しかし、「防災のために特別な備えをする」と考えると、どこか負担に感じてしまうこともあるのではないでしょうか。

今回ご紹介したいのは、「フェーズフリー」という考え方です。これは、「いつもの日常」と「もしもの非常時」を区別せず、普段の生活がそのまま防災につながる家づくりのことです。

災害用に特別な備えをしなくても、いつもの生活の場がもしもの時も役立つ。そんな家づくりを目指しませんか。


地震への備え:「倒れない」だけでなく「住み続けられる」家を

大きな地震が起きた時、家がそのまま「使える」ことは、避難生活をせずに済むという点で最高の防災機能になります。

耐震等級3で、倒壊を防ぐ

まず基本となるのが、耐震性能です。

「耐震等級3」とは、消防署や警察署など、防災拠点となる建物と同じレベルの強度を持つ家のことです。大きな地震でも倒壊・崩壊しないことを目指した設計で、家族の命を守る最も重要な性能と言えます。

揺れを抑える技術で、「住み続けられる」家に

しかし、耐震等級3で倒壊を免れても、家の中の家具や設備が壊れたり、建物そのものが損傷したりすれば、「住めなくなる」可能性は残ります。

そこで、揺れそのものを軽減する技術を取り入れることで、「住み続けられる」家を目指します。

制振(制震)

建物に組み込まれたダンパーという装置が、地震の揺れのエネルギーを吸収し、熱に変えて逃がします。繰り返しの地震(余震)にも有効で、建物の損傷を軽減できます。

免震

建物と基礎の間に、積層ゴムなどの免震装置を設置し、建物に地震の揺れを直接伝えにくくします。揺れを大幅に低減できる優れた技術ですが、コストは高くなります。


普段の暮らしがもしもの備えに。「フェーズフリー」な防災の工夫

日頃から使っている設備や道具が、災害時にもそのまま役立つ。そんな「普段使い」と「非常時」の垣根をなくす(フェーズフリー)アイデアをまとめました。

ライフライン 具体的な設備・工夫 普段と災害時の活用方法・補足
電気 太陽光発電・蓄電池 普段は電気代の削減に貢献し、停電時には蓄電池から自動または手動で電力を供給します。
※夜間でも照明、冷蔵庫、スマートフォンなどの通信機器が使えるので安心です。
井戸
(地域による)
普段は庭の水やりなどに利用し、非常時には断水しても生活用水を確保できます。
※生活用水とは、トイレの流し水、洗濯、掃除などに使う水のことです。飲用する場合は、水質検査をした上で必ず煮沸が必要です。
貯水機能付き
エコキュート
普段はお風呂やキッチンの給湯に使いつつ、タンク内に常に貯まっている大量のお湯(水)を非常用の生活用水として利用できます。
※機種によってはそのまま飲用には適さない場合があります(メーカーに要確認)。また、停電時にタンクから水を取り出す方法を事前に確認・練習しておきましょう。
熱源 カセットコンロ
(備蓄)
普段の鍋料理や卓上調理に使い、災害時もガスや電気が止まっても手軽に温かい食事が調理できます。
※カセットボンベは多めに備蓄しましょう(目安:1人1日1本×最低3日分など)。ボンベには使用期限(製造から約7年)があるので、定期的な確認とローリングストック(使いながら買い足す)がおすすめです。
薪ストーブ・
ペレットストーブ
(地域による)
普段はおしゃれな暖房器具として楽しみ、停電時でも暖を取ることができ、天板などで調理も可能です。
※燃料(薪やペレット)の備蓄が必要です。使用中は換気に十分注意してください。

大雪への備え:上越地域ならではの対策

上越地域では、地震だけでなく大雪への備えも欠かせません。

耐雪性の確保

構造計算で積雪荷重を想定し、屋根が雪の重さに耐えられる設計にします。多雪地域では、耐震性と並行して耐雪性が非常に重要です。

断熱性の強化

高い断熱性能は、普段の暖房費を抑えるだけでなく、停電や燃料不足で暖房が使えなくなった場合にも役立ちます。熱が逃げにくい家は、体温による熱だけでも極度の冷え込みを防ぎやすくなります。

雪に強い設備

玄関フードや風除室の設置、落雪のリスクを抑える屋根形状(無落雪屋根など)の検討も大切です。普段の生活の快適さを高めながら、大雪時の安全性も確保できます。


強風・水害への備え

窓ガラスの強化

飛来物や強風による破損を防ぐため、サッシやガラスの強度を高めます。

雨戸やシャッターの設置

大雪や台風時には、雨戸やシャッターが窓ガラスの破損防止に役立ちます。

基礎の高さの確保

敷地周辺のハザードマップを確認し、浸水リスクがある場合は基礎を通常より高く設計するなどの対策が有効です。

※上越市のハザードマップはこちら(上越市HP)。


まとめ:防災の視点は、快適で安心な家づくりにつながる

家づくりに防災の視点を取り入れることは、単なる「備え」ではありません。それは、「高性能で快適、かつ安心な家」につながるのです。

地震、大雪、停電など、上越地域で想定される災害に対して、具体的にどのような仕様を採用すべきか、私たちと一緒に検討してみませんか。

普段の暮らしを豊かにしながら、もしもの時にも家族を守る。そんな家づくりを、ぜひ実現しましょう。

 

※火災に関してはこちらのブログもぜひご覧ください。

 


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