「安くていい家」は存在しない。プロが教える住宅の「生涯コスト(LCC)」 「安くていい家」は存在しない。プロが教える住宅の「生涯コスト(LCC)」

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「安くていい家」は存在しない。プロが教える住宅の「生涯コスト(LCC)」

家づくりを考える時、多くの方が「できるだけ安く建てたい」と思うのは自然なことです。

数千万円という大きな買い物ですから、初期費用を少しでも抑えたいという気持ちが湧くのは当然です。誰もが「安くて良いもの」を求めます。

しかし、住宅という長く住み続けるものにおいて、本当に「安くていい家」は存在するのでしょうか。

今回は、家づくりのコストについて、初期費用だけでなく長期的な視点からお話しします。


「安くていい家」は、本当にあるのか

結論から申し上げると、残念ながら「安くていい家」は存在しません。

これは決して、高い家を売りつけようとしているわけではありません。家づくりの専門家として正直にお伝えしなければならない事実なのです。

安い家には、安く作れる理由があります。高い家には、高くなる理由があります。そして、その違いは数十年という長い時間の中で、大きな差となって現れるのです。


安い家には、安い理由がある

初期費用が安い家は、確かに魅力的に見えます。しかし、なぜ安く建てられるのでしょうか。

その理由は、目に見えない部分にコストがかけられていないからです。

  • 断熱材の質や量
  • 気密性能を確保するための施工の丁寧さ
  • 使用する素材の品質
  • 構造の強度

こうした「目に見えない部分」こそが、家の性能を決める重要な要素です。新築時の見た目は似ていても、家の中身は大きく異なります。

そして、初期費用が安い家ほど、30年、40年と住み続ける中で、多くのお金がかかってしまうという現実があります。


「安さ」が奪う、建てた後の快適さと家計

初期費用を抑えた家が、将来的に高くつく理由は大きく分けて二つあります。

1. 光熱費の負担

断熱性能や気密性能が低いため、冷暖房のエネルギー消費が大きくなります。

夏は暑く、冬は寒い。快適に過ごそうとすれば、エアコンやストーブをフル稼働させる必要があり、毎月の光熱費が高くなります。特に上越地域のような雪国では、冬の暖房費は家計の大きな負担となります。

建てた後、毎月お金が逃げ続けるのです。


2. メンテナンス費用の増大

部材の品質や施工精度が低いと、早い段階で大規模なメンテナンスが必要になります。

  • 外壁の塗り替え
  • 屋根の補修
  • 設備の交換
  • 結露によるカビや腐食の修繕

こうした修繕費用が、思った以上に膨らんでいきます。初期費用を抑えたつもりが、結果的にトータルのコストは高くなってしまうのです。


30年後、どちらが「お得」だったか

家は30年、40年、それ以上住み続けるものです。だからこそ、初期費用だけでなく、ライフサイクルコスト(LCC)という考え方が重要になります。

ライフサイクルコストとは、建てる時の費用だけでなく、住み続ける中でかかる光熱費やメンテナンス費用を含めた、トータルのコストのことです。

初期費用が安い家の場合

  • 建築費:2,500万円
  • 毎月の光熱費が高い(年間30万円 × 30年 = 900万円)
  • メンテナンス費用が高い(30年で500万円)
  • 合計:3,900万円

初期費用は高いが、性能の良い家の場合

  • 建築費:3,000万円
  • 毎月の光熱費が安い(年間18万円 × 30年 = 540万円)
  • メンテナンス費用が少ない(30年で200万円)
  • 合計:3,740万円

※あくまで試算例です

このように、初期費用は高くても、長期的に見るとトータルのコストは抑えられるケースが多いのです。


快適さと健康も、大切な「価値」

コストの話だけではありません。家の性能は、暮らしの快適さや家族の健康にも直結します。

快適さの違い

  • エアコン1~2台で冬でも家全体が暖かい
  • 夏でも涼しく過ごせる
  • 部屋ごとの温度差が少ない
  • 結露やカビが発生しにくい

健康への影響

断熱性能が低い家では、部屋ごとの温度差が大きくなり、ヒートショックのリスクが高まります。特に高齢者のいるご家庭では、家の性能が命に関わることもあるのです。

快適で健康的な暮らしは、お金には代えられない価値です。


家づくりは、長期的な視点で考える

家づくりにおいて、初期費用を抑えたいという気持ちは理解できます。しかし、「安さ」だけで選ぶことは、将来の自分や家族に負担を残すことになりかねません。

私たちがおすすめしたいのは、初期費用だけでなく、長期的な視点でコストを考えることです。

  • 毎月の光熱費はどれくらいか
  • メンテナンス費用はどれくらいかかるか
  • 30年、40年住み続けた時のトータルのコストはどうか

こうした視点で家づくりを考えることで、本当に「お得」な選択ができるのです。


まとめ

  • 「安くていい家」は存在しない
  • 安い家には、目に見えない部分にコストがかけられていない理由がある
  • 初期費用が安くても、光熱費とメンテナンス費用で結果的に高くなる
  • 長期的なライフサイクルコスト(LCC)で考えることが大切
  • 快適さと健康も、お金には代えられない価値

上越エリアで家づくりをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。初期費用だけでなく、長期的な視点で本当にお得な家づくりを、誠実にご提案させていただきます。

※快適な家づくりについては現場ブログもご覧ください。


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